'98 4/3 埼玉県蓮田 |
もうだいぶ前の話題だが,この地に珍鳥サバンナシトドが現れた事は知っている方も多いだろう。私も当然サバンナちゃんに会いに行った。が,数人のオッチャン達は右往左往。「今日は出てないんだよ。」「イヤ,それは困るんです。」などと言って知らんオッチャンを困らせていると,地元の人が良く現れるポイントを教えてくれた。だが,全然気配がないので情報に頼るのはやめて周りを歩いて自力で探した。 1時間くらい探して,もう結構どーでもよくなってたところに,アオジやオオジュリンの群れの下に変な奴がいることに気付いた。「おったァ!!」と思った瞬間飛んだ。溝の穴の中を低く飛び,尾羽根の両端の白線がない。次の瞬間私の目にサバンナシトドが映っていた。 そんな挙動不審な私を目印に数人のウォッチャーが寄って来た。すると彼(?)は草地にパッと飛び上がった。全員で鼻血ブー。この後この溝が彼のお気に入りの場所だとわかり,多くのカメラマンがこの溝シトドを写した。最初に出ると言われていたポイントから実に川をはさんだ対岸の奥の方だった。だってこっちの方が居そうだったんだも〜ん。私ってちょっとエライのかも?(偶然やろ!) |
4/5〜4/7 涙の釧路航路 |
3月末から4月上旬にかけて,釧路航路はウミスズメ類のピークを迎える。(航路自体がもう無くなってしまうが)ウミオウムとかがよく現れるのもこの頃である。4日夜出航し,5日の早朝,館山沖で探鳥開始,アカアシ,ハイイロ,ハシボソなどミズナギドリが戻ってきている。ハイイロヒレアシシギやミツユビカモメ等を横目に北上していくと,シロハラトウゾクカモメが1羽浮かんでいた。トウゾク4種の中で一番少ない種類だ。 「バイバーイ。」と言っていたら,しばらくしてからなんかちっこいのが流れて来た。「おわっ!ウミオウムや!!」な〜んと夏羽のウミオウムだった。奴は小声で「ボク,ウミオウム。」と言っていた。(うそつけ)私は目,鼻,口から色んなモノをまき散らして喜んだ。 鼻血を拭いていると,また似たようなのが流れて来た。もう条件反射でオートマチック鼻血である。「ブー。(←鼻血音)ん?これは違う…。エトピリカや!」今度はエトピリカの幼鳥であった。成鳥と違って美しくはないが,霧多布で見る遙か彼方のよりずっと近かったのがうれしかった。 こんなに鼻血出してたら血が足りなくなってしまうやんか,と思っていたが,この後パッタリと鳥が出なくなり,私は失血症を免れたのであった。しかし塩屋崎を過ぎて程なく北上中のウミスズメ達に追いついた。ウミスズメ1万羽以上,ウミガラス,ハシブトウミガラス合わせて1万羽が海上を飛び回っていた。エトロフ,カンムリ,コウミスズメも少数(20〜50羽位)だが観察できた。海上には千頭以上のオットセイが遊ぶ,時々ツバメやキジバトが洋上を渡っていくのも見掛ける。そして120頭以上のイシイルカを眺めつつ三陸沖で日が暮れた。 翌6日。7時半の入港までの釧路沖が実は最高のポイントなのだ。ドキドキしつつ甲板に立つ。「うっそぉー?!」なんと海上は死ぬほど濃霧だった。「アホかーっ!!鳥見れへんやんけー!!金返せーっ!!」と不条理な事を叫び,霧が晴れてくれることを祈りながら甲板で待つ。だが,視界50mではどうにもならなかった。 港で3時間休み,再び同じ船に乗り込み東京へ向かう。一般人から見たらただのアホである。普通ならアホと思われても鳥が出りゃなんともないのだが,霧で鳥が見れないんじゃあ,本物のアホになってしまう。釧路の港に3時間昼寝しに来たんじゃないんじゃあー!!ぬおーっ!!あぁ,涙の釧路港路…。 甲板のベンチに座ってグッタリと海を見る。あまりのヒマさにこれまでの人生が走馬燈のように思い出されていく中(おい,死ぬなよ!)やっと視界がきいて来たのは午後になってからだった。しかし出るものはこれまでとほぼ同じ。十勝港寄港前に岸に近付くため,ビロードキンクロやクロガモ等の海ガモがよく見れた。 十勝を出港してすぐに日没。翌7日。願い空しく再び濃霧の金華山沖。ぬぁーっ!!もうイヤじゃー!結局昼になってようやく見れるようになる。アオホウドリ2種とミズナギが中心となり,オーストンウミツバメが北上して来ている。このへんまで来るとウミスズメ達は数少なくなっている。そんなこんなで徐々に鳥影が減り東京湾に入ったところで日没。あ〜。涙と鼻血,どっちが多かったでしょうか。 |
4/26 谷津干潟 |
シギチを見に行ったが特にこれといった成果はなかった。オーストラリアのヴィクトリア州で標識されたオオソリハシシギがいた。お疲れ様。余談になるが,発信器の装着によりホウロクシギがオーストラリアから3日間飛び続けて徳島の吉野川河口に飛来していたことが最近解ったらしい。私だったら3日間マラソンしたら死にます。 | 5/2〜5/4 山形県飛島 |
GWの連休で舳倉,対馬と並ぶ有名探鳥地・飛島へ。5/1の夜行バスに乗り,翌朝酒田着,タクシーで港に行き,8時に出航。海上はアビ,オオハム,シロエリオオハムが多く,トウゾクカモメ,ウミスズメ等を見ているうち,2時間程で島に着く。 宿に荷物を置いてさっそく外へ。ちょうど島に詳しい友人も来ていたので案内して頂く。まだ珍鳥情報はないようだ。畑の方へ上って行くと,大きい農道に出る。驚いたことにオオルリとキビタキが道沿いにゴロゴロいた。双眼鏡で進行方向を見てみると5〜6羽のヒタキが入った。またツグミ類,ムシクイ類,ホオジロ類もそこら中に湧いていた。とりあえず2〜3日前ツメナガホオジロがいたという荒崎海岸に行ってみた。いなかった。でも行く途中の松林でムギマキの♂成鳥が見れた。あと海岸の草地にシマアオジ♂がいたが,すぐ飛んで行った。 とりあえず渡りの時期を実感して道路に戻る。深山に向かう途中の夏鳥達の声を聞いて歩いていると「ウーウー」と低い声。カラスバトだ。「うーうー」と真似する。反応ナシ,「無視しよんねんでー。」と通りすがりのニュウナイスズメに話しかけてたら「ピュピュ…」とイスカの声。松の木に赤い♂が3羽ほどいた。サンコウチョウの地鳴きがしたが,どーせ後でも見れるやろ,と思ってほっといたら最後まで見れへんかった。あべーん。(←ショック受けている音) マミチャジナイが意外に多く,群れを見ていたら,そのへんの人が「2の畑」(バーダーがつけた地名で1〜3の畑まである)にコホオアカが出てるよ,と教えてくれた。えっちらおっちら歩いて行ったが,今はいないようだったのでそのまま1の畑まで行ったら,なんか人が集まっていた。「何かいます?」と聞いたが「いや,わかんない」とか言うのでその草むらの横の道を下りて行こうとしたら,何かが動いた。とっさに見たが,顔だけしか見れなかった。顔が白っぽいノゴマのようだったので,ノゴマやろうと思って昼食を買いに行ってしまった。 その後知人のグループと一緒に昼食をとりつつ図鑑を見ていた。「ノゴマ♀ってあんな顔やったっけ?」と気になったからだ。私は「あっ!!」と声を上げてすぐその場所に戻った。さっきの人に「さっきの鳥尾羽根赤くなかったですか?」と聞くと「赤かった。」と。「それを早よ言えーっ!!オガワコマドリの♀やないかーっ!!」私は心の中で48回くらい叫んだ。そしてそれ以後彼女は私の前に現れなかった。(フラれたみたいだ。)夕方に2の畑で無事コホオアカを見て,その日は寝た。 翌3日。まだ暗いうちに起きてみると,なんと雨。しかしその程度で私はひるまない。これが実は大当たりとなった。雨の中ヘコヘコ歩いて行くと茂みの中に鳥達が隠れている。大通りから1本林道に入ろうとするとアオジやらクロツグミやらが道に下りていましたが,1羽だけ,何か丸いのがころころしておった。「コルリ♀かな」と見て鼻血ブブーッ。なんとヨーロッパコマドリであった。意識を失いそうになった瞬間,飛んだ。しばらくそこで粘ったがダメだった。その後グランドに何か降りてないかと思って行ってみると1羽のジシギが。近寄ってみるとハリオシギだった。 雨の中宿に朝食を食べに戻る途中,畑の草むらでシマセンニュウを見つけた。朝だとノゴマもよく鳴いている。赤い喉がいい。その日は一日中島をうろうろしてチュウジシギ,ジュウイチ,ムジセッカ,ノジコ,シノリガモ等を見た。誰かが1の畑で寝ているヨタカを見つけて,人だかりが出来ていた。他,コルリ,マミジロがそこら中でポテポテ歩いてて感動した。昨日苦労して見たコホオアカは島のあちこちに3〜4羽いたりした。どっかの外国の人がハシブトオオヨシキリがいたと騒いでいたがただのオオヨシキリだったようだ。後で相部屋になった名古屋のおっちゃんがベニヒワを見たと教えてくれた。 翌4日,アオバズクが鳴いているうちに早くも出発。今日は晴れだ。昨日のヨーロッパコマドリとハリオシギを探したが見つけられない。代わりに,シマゴマのさえずりを聞いた。どこを歩いてもヒタキ,ムシクイだらけで,この日にやっとキマユムシクイの声も聞けた。「沖縄から来たんやね。」とちょっとうれしい。コホオアカを2の畑で見て,宿に帰る途中,春は少ないサメビタキも見れた。 港の近くを歩いてシギでもいないかと探していると,港をふよふよ漂ってるのがいた。ゴミかと思ったがアカエリヒレアシシギだった。ベニヒワ情報のお礼に相部屋のおっちゃんに「宿の前にアカエリヒレアシシギ浮いてましたよ。」と教えてあげた。すぐ見れたらしく,「初めて見たよ,ありがとう。」と言って喜んでくれた。 朝食時,前に座った人が昨日の夕方マミジロキビタキ♂を見たと教えてくれたので,早速探しに行ったが普通のキビタキとオオルリしかいなかった。私は当時この鳥は♀しか見たことがなかったので結構ふんばったがダメだった。それではとベニヒワの現場に向かう。ベニヒワ久しぶり…とルンルン気分で歩いて行くと一人見ている人がいる。と同時に「飛んだーっ。」の声,私の頭上を小鳥が1羽,ア〜レ〜。さらばベニヒワ。その後,ヤツは二度と姿を現さなかった…。 北の海岸にクジラの死体が漂着していたので,研究機関に通報すると,後日,オオギハクジラだと連絡が来た。こうして私は1日100回くらいオオルリとキビタキを見て,Robin尽くし(コマドリ,コルリ,シマゴマ,ノゴマ,オガワコマドリ,ヨーロッパコマドリ)の飛島を発った。帰りの航路ではウトウ,ウミスズメ,アカエリヒレアシシギ等を眺めて,飛島が見えなくなる頃,数頭のカマイルカが船を追ってきたので,彼らに見送られるように酒田港に入った。東京行きの夜行バスに揺られ乍ら,リストを数えると5/2〜4の3日間で113種確認できていた。 |
5/14 神奈川県藤野町 |
まだ渡来して間もないブッポウソウとチゴモズに会いに行く。前者はなんかしんどそうな顔をしていたが,後者はパワフルにギチギチギチギチ鳴いていた。お帰りなさい。 |