天野君の鳥だより   '98 6/7〜8/23
'98 6/7
神奈川県葉山町
 いやあ、本当に古い話題で申し訳ない・・・。この日は神奈川県葉山町にサンコウチョウを見に行った。毎年ここで繁殖し、私は毎年ここに彼らに会いに来るのを楽しみにしている。

前の日から友人たちと近くの港で夜釣りをして、寝ないで夜明けとともに林道を歩く。ずーっと奥まで行くと・・・「ギッ、ギッ・・・」今年も一つがいだけだがやってきてくれた。すっかり有名になってしまっている場所なので、既に先客がいる。その人に教えてもらってみると巣の中には♀がいた。少し待ってみたがこの日は眠いので♂を見ずに帰る。オオルリキビタキのさえずりを聞き、タイワンリスに見送られながら帰路についた。

6月13日、再び葉山を訪れた。今度は♂♀ともに観察できた。ホトトギスセンダイムシクイがよく鳴いている。

あんまり長くサンコウチョウを見ているとストレスになるので(私が、ではなく鳥がストレスを感じる。)さっさとその場を離れる。なにもすることがないので、川に入って魚捕りをする。童心に帰って楽しんだ。(いつも童心だとよく言われるが。)カワセミが「うげっ、人間が川に入ってる」って顔して見てた。縄張り争いしたら勝てるかなあ?(負けんなよ。)あとタカチホヘビというなかなかお目にかかれないヘビの死体を拾った。ラッキー!(死体拾ってラッキーなのか・・・?)

6/21
茨城県浮島
    これも毎年行っている場所。夜明け前に現地入りして、明るくなるのを待つ。真っ暗い葦の草原からはにぎやかなオオヨシキリコヨシキリの歌が聞こえてくる。彼らは張り切りやさんなので一晩中囀っているのだ。

明るくなると徐々に声が増えてくる。コジュリンオオセッカなどだ。彼らは日本国内でも繁殖地が限られている貴重なものたちだ。奥の方をプロミナーで見てみるとオオセッカが楕円形を描いてディスプレイフライト。尾羽を扇のように開いて舞い上がる。・・・か、かわいい・・・。毎年見にきてしまう理由がうなずける。(自分でゆーな。)

にやにやしていると手前の葦の茂みからふわっと大きめの鳥が飛んだ。ヨシゴイだ。葦原から少し顔をのぞかせて「おー。おー。」と鳴いている。「ヘンな声やね、相変わらず。」と話し掛けようとしたが、ヨシゴイに失礼なのでやめた。ヨシゴイのメスにとってはきっとホレボレする美声(?)なんだろう・・・。私はエレエレしてしまうが・・・。(?)

それから近くの農耕地に行き、畑でツバメチドリを見つけた。どっかそのへんで繁殖しているそうである。(ツバメチドリ談。←うそつけっ!)

それから少し足を伸ばして銚子、波崎に行ってみる。でも何もいなかった。ただ沖をオオミズナギドリがホゲゲーッと飛んでおった。(どんな飛び方や。)

今度は帰りがてら印旛沼に行ってみる。帰りそびれたのかマガモが一羽、カルガモに混じってた。コアジサシを眺めていると突然「ボッ。」っと一声。サンカノゴイだ。しばらく待ってみたが「出てってやるもんか、あほー」という気配だったので諦めて帰った。
8/21
徳島ー東京航路
 実家徳島に帰省したおりに初めて徳島ー東京航路を利用。海鳥好きの私は海をみつめているだけで鼻血ブーである。まずはじめにアカシュモクザメがゆらりと消えていった。しかも2匹。かじられたらきっと痛いんやろなーって思っていると「痛いに決まってるやろ!」とオオミズナギドリからツッコミが。アカエリヒレアシシギが10〜20羽位の群れで時々浮かんでいる。ハイイロヒレアシは混じってないかな・・・とじっくり見てみるがいない・・・。

阿南市の伊島沖を通過した時一羽のクロトウゾクカモメが飛んでいた。クロトウゾクって名前のイカツさNo.1だけど実は体が小ぶりでかわいい奴だ。捕まえていじくりたおしたいと思いませんか?(思わへんわ。)クロトウゾクの顎をゴロゴロしたーい、とか考えていたら今度はアナドリ登場。夏沖縄を思い出す動き・・・。うーん、捕まえてうりうりしたーい。でも実際海鳥ってクッサイんですよねー。翌日、夜明け前にはもう東京港に入港していた。むむう、つまんない。
8/23
千葉県谷津干潟
 秋のシギチドリのシーズン到来。とりあえず偵察。メダイチドリホウロクシギアオアシシギオグロシギオオソリハシシギソリハシシギキアシシギキョウジョシギ・・・。そこらへんの常連さんは皆揃っている。

オバシギの群れにコオバシギが一羽入っている。ここの名物セイタカシギは今日もしゃなりしゃなりと干潟を行く。

干潟の周りの茂みではオオヨシキリの巣立ち雛が元気に親鳥を追いかけまわして餌をねだっている。そんな元気があるのなら自分で餌探しなさい!観察センターの池では遅くに繁殖したバンのつがいがまだ小さい雛を連れていた。気をつけないとアオサギに食べられるよ。

干潟のシギチをよく観察すると足環やカラーリングをつけているものがいる。これは色や左右の組み合わせで、どこから来たか分かるようにされているのだが、今日見たものでは、北海道の風連湖から来たキアシシギとコムケ湖から来たキアシシギ、それにオーストラリアのクイーンズランドに行ったことがあるメダイチドリがいた。鳥に国境はないのだ。私はよくフィリピン人やベトナム人に間違えられるけど、たぶん日本人です。(自信ないのか!?)

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