シンガポール野鳥撮影の旅
2007年1月30日〜2月3日
 

時田 圭三

昨年11月、写真仲間のKさんから「埼玉のYさん夫妻とシンガポールへ野鳥写真を撮りに行こう」と熱心に誘われた。最初は迷ったが家内も折角誘ってくれたのだからと後押ししてくれて決心した。12月初めにKさんとJTBへ行き旅行の申し込みを行なった。

12月26日に、家内がパスポートのことを言い出したので自分のパスポートを見ると、とっくに期限切れだった。12月27日に旅券事務所へ申請に行った。1月30日の出発日とJTBから言われたパスポート提示日の期限(1月12日)を係りに伝えたところ、「余裕がない。すぐ戸籍抄本と住民票を取り寄せるように」と言われた。

家に帰り本籍地の市役所へ連絡、戸籍抄本を速達便で送ってくれるよう依頼した。しかし年内送りは無理と言われたので心配したが予想より早く1月6日に到着した。一方旅券事務所から郵送されたパスポート発行日通知書(はがき)は、郵便局の手違いでやや遅れてしまったが9日には届けられた。10日朝は戸籍抄本、住民票、印鑑、運転免許証、パスポート発行日通知書を持って旅券事務所へ行きパスポートを受取った。

引き続きその足で、Kさんと再びJTBへ。約83,000円の旅行代金を支払い、チケットを入手した。現地で必要な充電用プラグ、身の回り品などの準備も終えた。次のような撮影日程がYさんから送られてきた。

1月31日(水)、2月2日(金) シンガポール植物園
2月 1日(木)        スンゲイブロー自然公園

1月30日(火)

自宅まで迎えに来たMKシャトルバス(タクシー料金:3,000円)に乗り関西国際空港へ。搭乗2時間前の午前9時に到着し、シンガポール航空のカウンターで機内持ち込み用と荷物室用に分けて手続きした。H・W・Dのうち、1つでも60cmを越えると機内持ち込みは不可と注意されたので、三脚とボストンバッグは荷物室用として出し、壊れやすいカメラとレンズが入ったリュックとカートは機内持込用として検査を受けパスした。

午前11時発、シンガポール航空SQ17便は予定通り離陸。機内では先ず、シンガポールの時差がマイナス1時間なので時刻調整と、入国審査申請書に必要事項の記入を済ませた。その後はビデオやクラシック音楽を視聴して時間をつぶした。予告のフライト時間は約7時間で、チャンギ空港に到着したのは午後4時50分(飛行時間:6時間50分)でした。

チャンギ空港の到着口を出るとJTBのガイドが出迎えてくれた。案内された交換所で23,000円分をシンガポールドル(81円/ドル)に換え、用意されたJTBのマイクロバスに乗り込んだ。バスの中ではガイドよりシンガポールの概要、ホテルの手続きやポーター室の利用方法などの説明を受けた。所要時間50分ほどでリバービューホテルに午後7時到着した。

チェックインを済ませ、部屋でくつろいでいたがお腹が空いて来たので、ホテルのレストラン階を歩いていると和食と書かれた店の「和食」の文字に惹かれこの店に入ることを決めた。和風料理のメニューが入り口に出ていたのでビールと一緒に注文した。食卓に並べられた料理は和風だったので喜んで口にしたが日本味には程遠いものだった。

成田からの便で来るY夫妻の到着は深夜になるので我々は先に休んだ。



1月31日 シンガポール植物園(SINNGAPORE BOTANIC GARDEN)

朝6時過ぎにホテルのレストランで中華と洋食のバイキングを食べた後、部屋に戻り撮影機材が入ったリュックと三脚を持ち出し、ロビーでYさん夫妻と7時過ぎに対面した。タクシーや夕食などの諸費用分として50ドルをYさんに預け、朝7時半ごろタクシー乗り込みシンガポール植物園へ向かった。所要時間は約20分で、シンガポール植物園・ビジターセンターに到着した。ビジターセンターの中へ入ると早速出迎えてくれたのは、人馴れしたジャワハッカでした。特に人の集まるところは構わずにやって来るのですぐに撮れた。

ジャワハッカ ジャワハッカ
ビジターセンターのすぐ近くにあるSymphony Lake(音楽堂がある湖)周辺を歩き始めるとリュウキュウガモ、カノコバト、ジャワハッカ、インドハッカに出会った。

リュウキュウガモ リュウキュウガモ
カノコバト カノコバト
インドハッカ インドハッカ
湖周辺を半周するとシロハラクイナ、カワセミ、キバラタイヨウチョウ、セアカハナドリ♀、アオハナドリに対面した。

シロハラクイナ シロハラクイナ
カワセミ カワセミ
キバラタイヨウチョウ キバラタイヨウチョウ
セアカハナドリ♀ セアカハナドリ♀
アオハナドリ アオハナドリ
朝9時半ごろ同園の北部にあるEco Lakeに向かうため北へ進路を変更した。途中、最初に出会ったのがシロハラクイナの親子連れで、我々の姿を見つけると親鳥は必死でヒナを連れて我々から遠ざかって行った。更に北へ少し進んだところで、野鳥の鳴き声で足を止めた。どうも込み入った枝の中にいるような気配なので近づいて見ると白と黒のシキチョウが我々の様子を伺っているようだった。

シロハラクイナ シロハラクイナ
シキチョウ シキチョウ
さらに進むとEco Lakeのあずまやに到着。ここで朝お湯を入れて用意したレトルトパック(赤飯)と魚の缶詰で昼食をとった。食事中も遠くでハチクイが飛び回っていた。

ハチクイ ハチクイ
湖ではコクチョウが7〜8羽悠然と泳いでいた。特に若鳥と思われる2羽が首を交叉させて遊んでいる様子は印象的だった。

コクチョウ コクチョウ
空を見ると頭部の白いタカのようなシロガシラトビが舞っていた。一方、湖周辺を眺めているとシロガシラツクシガモ2羽が仲良く木陰で休んでいた。逃げる様子もなかったので近づいて撮影した。

シロガシラトビ シロガシラトビ
シロガシラツクシガモ シロガシラツクシガモ
更に湖周辺を進むと頭と背中が赤い鳥を見つけた。この鳥はキゴシタイヨウチョウと言うシンガポールの国鳥だ。カメラを向け4,5枚ほどシャッターを切ったところで飛び去ってしまった。すぐ画像を確認したがピントが甘く残念な結果に終わった。2時過ぎEco Lakeを一回りした時、水際からまたシロハラクイナが現れたが我々の姿を見るとさっさと雑草の中へ逃げ込んでしまった。

キゴシタイヨウチョウ キゴシタイヨウチョウ
2時半ごろSymphony Lakeへ向かって移動を始めた。途中、待ちに待ったナンヨウショウビンを見つけた。感動、感動、感動。早速カメラを向け、青と白の美しいツートンカラーに興奮しながら撮影したが風がある上、多少枝被りしていてピント合わせに苦労した。

ナンヨウショウビン ナンヨウショウビン
更に足を進めると今度は小高いところに黄色いコウライウグイスを発見した。待ち望んだお目当ての鳥だったので大変感動した。

コウライウグイス コウライウグイス
2時半ごろSimphony Lake近くに着いた頃から少し暑さ負けを感じたので傾斜地にあるベンチで一休みすることにし、皆と別れた。

間もなくKさんが戻って来て、10分くらい先のところでズアカミユビゲラがいると伝えに来てくれたがここで休むことにした。

少し脱水気味だったのか持っていたミネラルウォーターを飲みほすとすぐに体力は回復してきたので撮影を再開した。カメラを持ってそばにいるミドリカラスモドキを撮り始めた時、コウライウグイスが近くの木に飛んで来た。
ミドリカラスモドキ ミドリカラスモドキ


さらにメグロヒヨドリ、キバラタイヨウチョウも立て続けに姿を現してくれた。思わぬ来客の撮影でラッキー、ラッキーの連続でした。しかし仲間3人がズアカミユビゲラ、オニカッコウ、カザリオウチュウ、ナンヨウショウビンを目の前で撮ったと知らされた時はちょっとショックだった。すぐにYさんが「最終日(2日)もその場所へ行く」と言ってくれたので安堵した。

メグロヒヨドリ メグロヒヨドリ
一通り撮影が終わってビジターセンターに戻った。機材をリュックに仕舞いセンター前で待っていると間もなくタクシーがやって来たので乗車しリバー ビューホテルに向かった。ホテルに到着後、Yさんが安価で食べられる中華の食堂街を案内すると言われたので、機材を急いで部屋に置きタクシーで出掛けた。

食堂街は大勢の中国系の人々で賑わっていたので、先ずテーブルを確保してからビールと4種類の中華料理を注文した。大皿に盛られた中華料理が運び込まれると皆一斉に取って食べた。近くの売店に18リットル入りの飲料水が置いてあったので翌日用に購入して食堂街を出た。

少し歩き始めると人通りの多い中華街があったので寄ってみた。旧正月にあたり、お祭りで通の両側は露店がずらりと並び、行き交う若者でごった返していた。しばらく散策した後、タクシーでホテルへ戻った。

9時半前に部屋に戻った。まず日本で購入した「海外用プラグ」をコンセントに差し込んでみた。最初は差し込み方が解らなかったが、間もなく取り付けられたのでバッテリーの充電を始めた。1時間半ほどで充電が完了すると、次はフォトストーレージを接続してCFカードのコピーに移った。コピーは1時間ほどで終了したので引き続きカードの初期化を行って翌日の準備がすべて終了した。この時、時計の針は12時を回っていたので就寝した。



2月1日 スンゲイブロー自然公園(Sungei Buloh Wetland Reserve

この日の行き先はシンガポールの北部にあるSUNGEI BULOH WETLAND(スンゲイブロー自然公園)。広大な湿地帯で、JTBのガイドは世界でも有数の野鳥の宝庫と言っていた。ホテルからはタクシーを利用、約50分後の9時に到着した。

同公園のビジターセンターへ入る前に小鳥の歓迎を受けてしまった。センターの手前にある小さな池周辺の草木に次から次へと色々な野鳥が集まって来た。最初はサイホウチョウが、続いてメグロヒヨドリ、ヒガシニシキタイヨウチョウ、チャノドコバシタイヨウチョウが飛んできた。

サイホウチョウ サイホウチョウ
ヒガシニシキタイヨウチョウ ヒガシニシキタイヨウチョウ
チャノドコバシタイヨウチョウ チャノドコバシタイヨウチョウ
池の草むらからは、ヨシゴイ、シロハラクイナが出てきた。1時間半ほど撮影できたがその後は急に居なくなってしまったのでここを諦めビジターセンターに入った。

ヨシゴイ ヨシゴイ
入り口で入園手続きを済ませ、湿地帯(Sungei Buloh Besar)に向かった。架けられた木製の大橋(main bridge)を渡りはじめるとあちこちのマングローブの木々にとまっている白いサギが目に入って来た。更にこの橋中央まで進むと右前方に青いナンヨウショウビンが、続いて木に止まっているイソシギを見つけた。さらに進み橋を渡り終えるとBird Observation Hideと書かれた観察小屋に到着した。小屋の窓からは多数の水鳥の群が観察でき、休息しているアオアシシギやチュウシャクシギをカメラのファインダー越しに確認した。

イソシギ イソシギ
アオアシシギ&チュウシャクシギ アオアシシギ&チュウシャクシギ
ここから10分ほど進むとOutdoor Classroom(学習教室)という建物に到着した。ここでは引率の先生のもとで20名〜30名の小学生が風景画を書いていた。我々は、小休止した後、さらに前進し湿地帯の奥へ。湿地帯の中はBoard Walk(木道)が設けられていて、この長い木道を進むと急に野鳥の声が聞こえて来た。しかし野鳥の姿が確認できないので、さらに前進すると左手に静かに我々の動きを眺めている様子のナンヨウショウビンの姿が目に入ってきた。

皆足を止め撮影に取り掛かった。撮影が終わるとまた移動を開始して5分ほど進むと、木道の中間地点に当たる避難小屋(Shelter)に到着した。12時を過ぎていたのでレトルトパック(混ぜご飯)と缶詰を取り出し昼食を取った。食後もここで暫らく休憩しながら野鳥を待ったが何も出てこなかった。

休憩後更に10分ほど前進すると木道は終了し砂地の道となった。道をさらに10分ほど進むと左前方のフェンスのところで動いている大型の野鳥を発見した。双眼鏡とカメラで観ると怖い顔したオニカッコウだった。この辺りは樹木が少なく野鳥はいないと判断し、引き返すことにした。

オニカッコウ オニカッコウ
朝通った木道も午後になると野鳥の声はめっきり少なくなり姿は全く観られなくなってしまった。自然に足も速くなりいつの間にか朝立寄ったOutdoor Classroomに到着してしまった。もう生徒たちの姿は無かったので、池の前庭にカメラを置いて野鳥を待つことにした。間もなく右前方にある木々に数羽ずつ止まっているコアオバトとメグロヒヨドリを見つけた。

コアオバト コアオバト
早速カメラを向けて撮影を始めると、今度は池の左側の潅木のような木に小鳥2羽が飛んできた。赤い方の1羽は枝の中に入ってしまったが茶色の方は枝隠れしない良い場所に止まってくれた。早速カメラを向けて撮影を始めたが長居はしなかった。この鳥の名前は難解で暫らく見当が付かなかったが2ヵ月後にセアカハナドリの♂♀と判明した。

この小鳥は体長10cmにも満たない大きさだが、声はセッカのようで忙しく鳴き動き回っていた。この小鳥が去った後はもう鳴き声が聞こえなくなったので、ビジターセンターに向かった。帰り道、歩道を横切る1mを越すオオトカゲに遭遇、人馴れしているのか慌てる様子も無く腰を振り振り草むらに隠れてしまった。朝、賑わったビジターセンター前の小池へ戻ると常連のシロハラクイナ、ヨシゴイ、メグリヒヨドリは姿を現したがそれ以外の野鳥は出なかった。

5時を回ったのでビジターセンターでタクシーを呼んでもらった。10分ほどでタクシーが到着したので各自機材をトランクに入れ乗車、ハイワエイを通ってホテルへ。50分後リバービューホテルへ到着した。

部屋で30分ほど休憩した後、外食するため皆ロビーで集まった。ロビーにはJTBのガイドがいたので「良いお店がないか」と尋ねたら、「屋台のお店が集まっている場所がある」と言って教えてくれた。早速、ガイドの指示に従って歩いたがどうしても教えられた道に辿り着けない。諦めて方向を変えて歩いていると各種レストランが入っているビルに到着した。店を見て回ったがなかなか納得する店がない。さらに探していると満員の回転寿司店の前で皆の足が止まった。意見が一致したようだ。店に入り席に着くとビールを注文し皆で先ず乾杯した。その後は各自で好きなものをとって食べた。ネタも味も日本風で美味しかったのでお腹いっぱい食べてしまった。一人3,000円でした。

帰路も徒歩で約10分を要した。

今日も部屋に戻ると先ずバッテリーを充電、続いてフォトストーレージにデータをコピーし、最後にカードの初期化を行った。



2月2日 シンガポール植物園(SINGAPORE BOTANIC GARDEN)

朝9時前にホテルからタクシーで出発、植物園は20分ほどで到着。

ビジターセンターへ入るとオナガダルマインコの大群が広場にある椰子の木々にやって来た。すぐリュックからカメラを取り出し撮影開始。動きが激しく,なかなかピントが合わないが何とか撮影できた。

オナガダルマインコ オナガダルマインコ
ビジターセンターから少し進むと広場で30人くらいの男女が集まって朝の体操をしていた。この場所を通り抜け、Symphony Lake左側の小道を進むと美しいヘリコニアの花園に到着した。足を止めて花園に目を向けるとキバラタイヨウチョウが盛んにこの花の蜜を吸っていた。真っ赤なタイヨウチョウも見掛けたが一瞬のうちに飛び去ってしまった。ここで30分ほどヘリコニアの花に止まるキバラタイヨウチョウの姿が写せたので満足した。

その後は初日私だけ行っていない場所へ連れて行ってくれた。最初に目に付いたのはカザリオウチュウで、飾りの尾羽をひらひらさせながら飛ぶ様子は印象的でした。斜面地にある大きな木の下枝でリスと野鳥を見つけた。オニカッコウがのんびりと枝に止まっていたがリスが近づくととっさにオニカッコウは大きく嘴を開きリスを威嚇し始めた。決闘があるものと期待したがリスはあっさりと退却してしまった。

カザリオウチュウ カザリオウチュウ
リス リス
10時半過ぎ、Yさんと2人でSwan Lake近くの森林へ向かった。10分ほどで目の前に番と思われるナンヨウショウビン2羽を見つけた。最初は警戒されないように遠くから撮影を始めた。少しずつ近づいて20mの距離になってまた撮影。さらに近づいて15mになっても逃げない。抜けの良い背景だったので必死で撮影した。Yさんも暫らく一緒に撮っていたが急に「別の場所に行く」と言って私を残して行ってしまった。私は暫らく撮り続けていたが帰り道のことが心配になってきた。つい先ほど撮っていた場所までは近いので、初めは戻れると思っていたが戻り始めると道が違うことに気付いた。

段々不安になってきたが歩いているうちに見覚えのある花壇に辿り着いた。何故かこの場所だけは記憶に残っていたのでほっとした。この後は道も分かりやすく元のところに無事に戻れたが朝方観察したオニカッコウなどは殆んど現れなかった。

時刻も12時を回っていたのでKさんと近くのGinger Gardenへ移動し昼食と休憩をとった。3日続いて「レトルトパックと缶詰」の昼食だったが飽きることもなく十分にお腹を満たしてくれた。

昼休みの後は、もう一度オニカッコウなどがいた場所に戻ってみたが近くには現れず、遠くにいるズアカミユビゲラを観察しただけだった。

ズアカミユビゲラ ズアカミユビゲラ
暫らくここに留まっているとガイドに引率された日本人風の団体がやって来た。そのうちの1人の名札を見ると、「奈良農協」と書かれていたので声を掛けてみた。私が日本人と分かると喜んで話し掛けてきたが忙しそうで間もなく立ち去った。

我々もヘリコニアがある花園へ移動しキバラタイヨウチョウを待ったが、稀に現れる程度でシャッターを押す機会が少なくなってしまった。3時半を回ったところでYさん夫妻も戻ってきたので一緒にビジターセンターへ向かった。

いつもの帰り道と異なり少し遠回りして歩いているとYさんの奥さんが突然「アオショウビンがいる」と言って知らせてくれた。あまりにも突然のことでアオショウビンの姿が目に入らない。足を止めて探していると我々の姿に気付いたのかアオショウビンは近くの木の中に身を隠してしまった。
暗かったが枝に止まっているアオショウビンが確認できたのでとっさにシャッターを押した。撮った画像のことが気になり液晶画面を見るとやはり暗い写真になっていた。数少ない貴重なチャンスに大きなミスをしてしまいショックでした。

我々は諦めてビジターセンターへ戻り機材をリュックなどに仕舞いジュースで喉を癒した。一息入れた後「アオショウビンが帰っているかも」と冗談を言いながら私1人で先ほど観た場所へ向かった。

その場所付近まで進むと、偶然にアオショウビンが飛び降りてきた。とっさに「アオショウビンが来た」と仲間に声を掛けた。素早く皆はリュックからカメラなどを取り出し必死でアオショウビンが居るところへ駆けつけたが木陰で見つけにくい様子だった。私は遅れて行ったがラッキーにも枝に止まっているアオショウビンの姿をすぐ見つけた。素早くシャッターを切った。何枚か続けてシャッターを切ったが途中からファインダーにアオショウビンの姿が無くなっていた。

アオショウビン アオショウビン
撮影に間に合わなかった仲間は、誰一人その場を離れるものはいなかった。暫らく待ったがアオショウビンはついに戻って来なかった。皆は諦めてビジターセンターに戻り、機材をもう一度リュックなどに仕舞い直し帰り支度を整えた。ビジターセンター前にはタクシーが止まっていたので、これに乗り4時前にホテルに着いた。

部屋に戻った時、Kさんが「JTBからチャンギ空港までの送客車の手配のことを知らされていない」と言い出した。心配になりKさんがJTBに電話したが、送客車手配の受付時間は午後1時までと言い断られた。しかしJTBのガイドから申込み用のパンフレットは貰っていないと主張したが聞き入れてもらえず暫らく平行線が続いた。諦めずさらに交渉すると、ついにJTB側がガイドの不注意を認め、車で7時半に迎えに行くと言ってきた。

Yさん夫妻を乗せる迎客車が6時に来るので我々も早目にロビーに降りた。予定通りJTBの車がやって来たのでロビーでYさん夫妻に別れを告げた。我々の車は7時30分に到着する予定で、時間もあるのでホテル内の売店などで時間を費やした。約束の7時半になるとJTBの車が迎えに来てくれた。ポーター室に預けていたカメラなどの荷物を受取り、車に積み込んでホテルを後にした。

車中でガイドが美味しいお勧めの中華料理店があると言われたので行くことにした。ガイドの案内で一緒にお店に入り、お勧めの料理を注文した。料理はあっさりしていて口当たりも良かったが盛り沢山で食べ切れなかった。

食後はJTB指定のショッピンセンターに預けてあった荷物を受取り、またJTB車に乗ってチャンギ空港へ向かった。車は10時半過ぎに到着、シンガポール航空のカウンターまで付いて来てくれたガイドとは手続きが終了したところで別れた。

セキュリティ・チェックゲートでチェックを受けた後は手持ちのシンガポールドルを交換所で円に替えた。5,000円ほど返って来た。離陸時間まで2時間近くあったので搭乗口前のロビーで休息した。最初は人影が少なく不安だったが搭乗時間が近づくにつれ徐々に旅行客は増えてきた。

離陸20分前に搭乗が始まった。シンガポール航空SQ18便は定刻通り深夜1時05分(2月3日)に離陸。機内では間もなく軽食とドリンクが出されたがあまり食欲が進まなかった。またビデオと音楽を聴きながら時間を過ごした。帰りの飛行は1時間ほど早く5時間45分とアナウンスされた。関空到着は予定通りで6時40分(日本時間7時40分)に着陸した。

荷物を受取った後はMKシャトルバス案内所でチェックを済ませ、マイクロバスで京都に向かった。Kさんとは南IC近くで別れ、私が乗った車は我が家に直行、約1時間30分後の午前10時自宅に到着した。



【追記】

 旅行記はシンガポールへ野鳥を観察・撮影に行きたいと思っておられる方々に少しでもご参考になればとの思いでまとめました。
 尚、野鳥名については詳細に調べたつもりですが、お気づきのことがありましたらご一報をお願いいたします。

            5月20日 記 


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